同聚院(どうじゅいん)は、平治元年(1159)、領主の三浦之介義明が赤石左衛門の菩提を弔うために開基したと云われる曹洞宗の寺で、武家門や文明の石幢、伊勢崎藩家老関當義・重嶷父子の墓、大カヤといった伊勢崎市指定の文化財もあります。
同聚院の武家門は、伊勢崎風土記によると「今の寺邸は古昔の廓内にして寺門は即ち城門なり」とあることから、元は稲垣長茂の屋敷門であったと推定されています。
武家門は、一般寺院の山門とは構造が異なり、瓦葺きの切妻造りで、本柱四本に控柱四本を設け、本柱の位置が屋根の棟の線より前にずれている薬医門の形式をとっています。
文明の石幢(伊勢崎市指定重要文化財)
石幢は、宝珠・請花・屋蓋(おくがい)・龕(がん)・中台・竿・基礎からなる石造物で、総高154cmの安山岩で造られ、円形の竿以外は六角形をしています。彫刻として龕部の六面にそれぞれ幡・数珠・如意・香炉・錫杖(しゃくじょう)を携え、一体は合掌する地蔵菩薩像が半肉彫りされています。各面には願主と考えられる六人の女性名が刻まれ、竿部には文明12年庚子十月十六日と銘が刻まれていることから、文明12年(1480)の造立と分かります。
同聚院の大カヤ(伊勢崎市指定天然記念物)
同聚院の大カヤは、樹齢約600年、樹高37m、目通り周5m、根本周10mで本堂北側にあります。 このカヤは雌株で、4月頃開花し、実は広楕円形の核果を呈して食用となります。江戸時代に伊勢崎藩主の酒井家では、将軍家への献上品としてカヤの実を献上したと云われています。
同聚院境内のヒカンザクラ
同聚院境内のお堂
※伊勢崎駅前の区画整理により写真と異なる部分もあります。